自由曲面加工が困難な理由

自由曲面とは、単純な数式では表わせない曲面のことです。つまり、自由曲面加工とは、そのような曲面をもつ工作物を加工することです。この自由曲面の加工は、加工レベルの中でもトップクラスに入るほどの困難な加工とされています。

今回は、自由曲面加工の手順や難易度、そして実際の加工実績を紹介します。

自由曲面加工の製作手順と多軸加工機

精巧な自由曲面の意匠形状を加工するには3軸、または形状によってはそれ以上の多軸同時制御が行える加工機を使用する場合があります。また加工形状に光学的な特性を持たせようとすると、汎用のマシニング程度の精度では実現することが出来ず、機械制御に10万分の1mm~100万分の1mm(10nm~1nm)の精度を持った加工機を使用することが必須となります。ワークの材質により切削加工もしくは研削加工を用いますが光学レンズ成型型であれば、求められる精度は使用目的にもよりますが、多くは1μm以下の形状精度を必要とされます。

自由曲面加工に接触加工が適している理由

レーザー加工や放電加工に代表される非接触加工には、「消耗品が少ない」、「圧力に弱い柔らかい素材・材料にも加工することができる」、というメリットがあります。

しかし、接触加工と比べると、どうしても加工精度が少し劣ってしまうことや、コストが高くなってしまう場合があります。また面粗度面でも接触加工と比べ不利です。

逆に、切削加工や研削加工等の接触加工には、「工具と工作物の相対運動を仕上げ面に正確に転写する」という点に強みがあります。すなわち、工具を高精度で動かすことができれば、それに比例して、仕上げ面も高精度に転写することができます。

加工される部品の精度は、その部品を加工する工具や工作機械の精度によって決まります。
自由曲面のような複雑な形状を、超精密加工するには、接触加工が適しています。
そして、超精密な仕上げ面を得るには、高精度で動かすことができる工具や工作機械が必要になるのです。

自由曲面への微細加工

微細加工とは精細な加工をすることです。自由曲面への微細加工では、加工物の自由曲面上に1万分の1ミリから千分の1ミリサイズの周期構造を加工します。ナノメートル精度が必要な、様々な種類の自由曲面レンズや自由曲面ミラー状に微細加工を追加し、本来のレンズ形状金型の開発や製作をします。

自由曲面レンズには、複数あるレンズの集約に自由曲面を使用する場合や、同時に使用する他のレンズの特性を補助する役目のレンズもあります。レーザープリンターや均一光を求められる小型LED照明などに使用されています。

自由曲面ミラーとは、光軸に対して非対称な形状を示したミラーのことです。入射した光線を任意の方向に均一に拡大させながら反射することができるミラーもあります。人間の所在を検知する人感センサや単焦点プロジェクターの拡大投影用の反射ミラー、光通信用の海底ケーブルなどに使用されています。

自由曲面加工が困難な理由とは?

通常の端面加工や球面加工であれば、その形状の数式に沿ったプログラムを作成することで、加工を比較的容易に行うことができます。

しかし、自由曲面加工は非常に困難とされています。これは、自由曲面の複雑さに起因します。自由曲面は、単純な数式で表すことができず、通常のプログラムでは加工することができません。また、複雑な自由曲面加工のプログラムを組めた場合でも、加工軌跡は線ではなく、設計点付近を通過する仮想曲線となります。そのため、追従誤差などの影響が生じてしまい、高精度な自由曲面加工が実現できません。

もし数学式が存在しない自由曲面加工を高精度を行うためには以下の物が必要です。
・元の設計点の限りなく近くを通過するNCプログラムが滑らかに出力できる高性能なCAMの必要性
・NCパス通りに制御できる超精密加工機(XYZ軸にバックラッシュが起きないリニアモーター駆動の機械が理想)
・形状誤差が出た場合に、設計値の自由曲面と加工品の形状誤差を正確に測定できる環境
・測定誤差をCAM側にフィードバックできる環境
この4点がそろうことで初めて超精密自由曲面加工が可能になります。

自由曲面加工の加工実績

下の写真は、自動車で用いられるヘッドアップディスプレイ(Head-Up Display:HUD)のミラーを成型するための金型です。

ご覧いただいた通り、この金型は、自由曲面です。ヘッドアップディスプレイは、人の視界の中にあるガラスやディスプレイに情報を投影する技術のことを指します。以前は戦闘機等の軍事用としてHUDは使用されていましたが、現在は一般自動車にも使用されるようになり、ニーズが非常に高まっています。

このヘッドアップディスプレイでは、情報を車のフロントガラスやディスプレイに綺麗に投影するためには、そのディスプレイと形状が一致していなければいけません。そのため、ナノレベルでの形状誤差を達成するための、非常に難易度の高い加工技術が必要になります。

しかし超精密・ナノ加工センター.comでは、光学部品専用のCAD/CAMソフトとナノレベルでの加工を実現する超精密加工機を数台設置した「ナノ加工研究所」での知見によって、このヘッドアップディスプレイ用反射ミラー金型の製作を可能にしています。

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自由曲面加工も超精密・ナノ加工センターにお任せください!

今回は、自由曲面加工についてご紹介いたしました。超精密・ナノ加工センターでは、どこの加工屋もやりたがらない、することができない自由曲面加工の超精密加工にも対応することができます。

当社では、超精密加工に特化した「ナノ加工研究所」にて、日本屈指の超精密加工を行っております。また、お客様の過剰品質の設計を防止するために、あらゆる角度からVA/VEをお客様と一緒に考えます。ナノレベルはマイクロレベルとは異なるノウハウが必要とされますが、どちらにも対応することができる当社だからこそ、最適な品質設計をお客様に提案することができます。

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