リニアモーターが超精密加工に必要な理由とは?

超精密・ナノ加工センター.comでは、東芝機械社製のリニアモーター付き超精密立形加工機UVM-450D(H)を用いて、光学レンズ用金型や超精密部品加工を行っています。ここでは、実際に当社が感じているリニアモーターが超精密加工に必要な理由と、UVM-450D(H)の特徴、実際に装置を使った事例をご紹介していきます。

(NDAの関係上、当サイトに実績として載せることができない事例も多数ございますので、あらかじめご了承ください。)

1.リニアモーターとは? 

 リニアモーターとは、軸のない電気モーター(電動機)のこと回転式のモーターを指します。一般的なモーターが回転運動をするのに対し、直線状に引き延ばし直線運動をするものをリニアモーターと言います。

 

リニアモーターの原理

リニアモーターには、主に3つの原理があります。

推進の原理

 N極、S極が交互に配置され、電流を流すことにより発生するN極・S極との間で、N極とS極の効き合う力とN極どうし・S極どうしの反発する力。

浮上の原理

 超電導磁石が高速で通過すると地上の浮上・案内コイルに電流が流れ電磁石となり、物体を押し上げる力(反発力)と引き上げる力(吸引力)。

案内の原理

 左右の浮上・案内コイルは、電力ケーブルにより結ばれ、物体が中心からどちらか一方にずれると、自動的に物体の遠ざかった側に吸引力、近づいた側に反発力が働き、物体を常に中央に戻します。

 

2.リニアモーターの使用用途

リニアモーターは、主に精密さを求められる機械に使用されます。

・工作機械

・リニアモーターカー

・半導体製造装置

・宇宙船

など様々なものに使用されています。

 

3.リニアモーターが超精密加工に必要な理由とは?

 従来のボールねじ駆動方式では、直進運動する際に機械的な接触が生じるため、長期間使用した際に摩耗が発生し、本来のモーターの回転力が正確に伝わらなくなることが多くありました。このことを、バックラッシと言い、運動方向の逆転時に送りねじとナットの間に隙間があることにより機械の動きにガタが発生し、位置決め誤差を大きくする原因となります。

 それに比べ、リニアモーター駆動方式は、リニアモーターの原理でも説明したように、磁石のN極とS極が引き合ったり、反発する力を使って、非接触を可能にしています。そのため、バックラッシ自体が存在せず、超精密な加工の仕事をする工作機械に最適な駆動方式になっています。

 

4. 当社のリニアモーター付き工作機械 「UVM450」3つのポイント!

3つのポイント

1.機械のバックラッシュを気にすることなく、鏡面加工が可能!

 この超精密立形加工機UVM-450D(H)は、X, Y,  Zの全軸がリニアモーター駆動のため、機械のバックラッシュを気にすることなく、なめらかな加工面が実現できます。また、通常は回転工具を用いた加工のための工作機械ですが、治具を追加することで固定工具を使用した加工にも対応可能となります。

2.自動工具交換装置による昼夜連続加工も可能!

 また超精密立形加工機UVM-450D(H)は、精度だけではなく高効率な加工も同時に実現できます。それが、自動工具交換装置(ATC)です。このATC内に100本以上もの工具が収容できるため、長時間を要する加工ワークであっても、刃物を自動で交換しながら加工を行うことでき、加工面全域で高品質な加工が可能となります。(刃物収容数については弊社仕様)

 このATC装置のおかげで、最長4〜5日もの加工時間が必要とされるワークにおいても、昼夜連続加工にて対応を行うことができます。その間は、次の加工プログラムの作成をしたり、検査をしたり、他工程に時間を費やすことができるため、非常に生産性高く仕事をすることができます!

3.加工ステージの高さが低く、ワークセッティングがやり易い!

 非常に細かい部分ですが、この超精密立形加工機UVM-450D(H)は加工ステージの高さが通常の工作機械と比べると数十センチ低く、作業性の面で扱いが良くなります。また、工作機械の加工室内もスペースが広くなり、扱いやすいだけでなく、メンテナンスも行いやすいことが特徴です。

 一般的に超精密加工機は、加工精度を上げるために加工室内が狭い場合が多いのですが、UVM-450D(H)では加工精度も保ちつつ、さらに加工ステージが低い分だけ加工スペースが広くなるため、加工方法の幅が広がります。

>>>詳しくはこちら!

YouTubeにて加工動画を公開していますので、ぜひご覧ください!

 

.超精密立形加工機UVM-450(H)を用いた加工事例:細壁精密加工

名称 細壁精密加工
材質 ステンレス
サイズ 加工範囲200x200mm(参考値)
精度 1セル精度幅、ピッチ精度3μm以下※参考値
加工方法 超精密切削加工(ミーリング)
業界 光学機器業界、自動車業界、情報通信業界、半導体業界

 

>>>加工品事例はこちら

 

6.超精密加工なら、超精密・ナノ加工センター.comにお任せ!

 このように当社では、超精密立形加工機「UVM-450D(H))」を用いた加工実績が数多くございます。また超精密・ナノ加工センター.comでは超精密立形加工機以外にも、超精密非球面加工機や超精密非接触3次元測定器、さらには超精密加工用のCAD/CAMソフトまで完備しており、ナノレベルの精度保証にも対応した最新鋭の超精密加工用設備を取り揃えています。この日本屈指の高精度加工専用の生産環境が整っているた「ナノ加工研究所」は、実際にメディアにも取り上げていただいており、大手メーカー様も遠方より足をお運びいただいております。(詳細はメディアページ、またはナノ加工研究所をご覧ください。)

 さらに超精密・ナノ加工センター.comでは、部品の設計段階からのVA/VE提案にも対応しているため、お客様のご要望に合わせたコストダウン提案もいたします。当サイト以外にも難削材加工や部品加工に関するサイトを運営しており、数多くお問い合わせをいただいております。

 「この素材の加工なんてできるのかな?」「この部分だけ精度が厳しいんだけど大丈夫?」といった案件は、超精密・ナノ加工センターにお任せください!まずはお気軽にご相談ください!