難削材の高精度加工におけるノウハウ

STAVAXやSiC、チタン合金、超硬合金などの難削材を切削加工する技術は、あらゆる加工の中でも極めて困難な部類に当たります。そのような難削材を高精度に加工する技術は、さらにレベルが高くなり、また材料費や加工時間コストも高くなるため、多くのサプライヤーは敬遠しがちです。

当社は難削材加工のスペシャリストとして、また超精密加工のプロフェッショナルとして、難削材の高精密加工を数多く行ってきました。ここでは、難削材を寸法公差±0.001mmで加工するためのノウハウについて解説していきます。

難削材加工のノウハウ

難削材は、航空機や自動車、電池などの多岐にわたる業界において、現在非常にニーズが高まっております。しかし、難削材と一括りには言うものの、難削材の中でも加工が容易なものから困難なものまであります。以下の写真は、難削材における加工の容易さを表した図です。

加工材料の、材質ごとの加工難易度は上図ピラミッドに基づきます。ピラミッドの縦軸方向は、材料の削りにくさを、ピラミッドの横方向は、現場で適用可能な切削条件・工具寿命を示しています。

そして、難削材にも金属やセラミックスなどの種類があり、それぞれの難削材において材料特性は異なるため、加工中に生じる現象や適性条件は大きく変化します。

具体的なノウハウとしては、

  1. 切削速度の低下
  2. 切削油による冷却
  3. 適正工具の選択
  4. 適正工作機械の選択

に大きく分類され、これらを緻密に組み合わせていくことで、材料ごとの最適な加工条件を発掘していかなければなりません。

超精密加工のノウハウ

超精密加工とは、寸法公差がナノメートル単位となる、精密加工と比較して1段階高精度な加工のことを指します。この超精密加工技術におけるノウハウとしては、主に以下の3つにまとめることができます。

  1. 高精度工具を用いる
  2. 恒温等の整った設備環境で加工を行う
  3. ナノスケールの分解能を持った工作機械を使用する

しかし、これらの1つ1つが高コストであるため、上記の3条件を満たす設備環境を整えるだけで膨大な費用がかかります。

また、工具のセッティングやワークの粗加工精度、測定における形状誤差測定など、現場レベルでの非常に細かい管理が徹底された環境でなければ、再現性の高い加工が困難であるため、工場全体でのマネジメントも超精密加工のノウハウと言うことができます。

難削材の高精度加工におけるノウハウ

上記2種類のノウハウを組み合わせて初めて可能になるのが、難削材の高精度加工です。

ここでポイントとなるのが、なぜ「超精密加工」のノウハウがなければ難削材の「高精度加工」ができないのか、という点です。これは、工作機械の母性原理によって説明することができます。工作機械の母性原理とは、「加工される部品の精度は、その部品を加工する工作機械の精度によって決まる」という特性です。つまり、寸法公差が±0.001 mmと指定されている場合は、工作機械の分解能が寸法公差よりも高精度(1μm未満)でなければならないというわけです。

そのため、ただでさえ難しい難削材の加工を高精度加工に、特に安定した精度で量産加工を行う場合に関しては、精度を保証するために1つグレードが高い精度まで保証できる設備環境がなければいけないのです。当社では寸法公差が±0.001 mmの加工を「高精密加工」と呼んでおりますが、これらの理由から難削材の高精密加工は非常にハードルが高くなるのです。

難削材の高精度加工は、超精密・ナノ加工センター.comまで!

当サイトを運営する株式会社木村製作所は、難削材加工のスペシャリストであり、また超精密加工のプロフェッショナルとして、難削材の高精密加工にも対応しております。長年蓄積してきた独自の難削材加工における知見と、産学連携によって開発してきた超精密加工に関するノウハウを合わせて、難削材の高精密加工に対応いたします。

また当社では、超精密3次元測定器も保有しており、精度保証にも対応しております。最新鋭の超精密加工用の設備が揃ったナノ加工研究所では、日本屈指の高精度加工のための加工環境が整っています。さらに、部品の設計段階からのVA/VE提案にも対応しているため、お客様のご要望に合わせたコストダウン提案もいたします。

「この素材の加工なんてできるのかな?」「この部分だけ精度が厳しいんだけど大丈夫?」といった案件は、超精密・ナノ加工センターにお任せください!まずはお気軽にご相談ください!