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テーパー加工と旋盤について

テーパー加工という加工方法をご存じでしょうか。私たちの身の回りにはテーパー状のものが数多くありますが、その加工方法についてはあまり知られていません。

今回は、テーパー加工について、よく混同される勾配との違いや、旋盤を用いた加工方法を紹介します。

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テーパー加工とは

まず、テーパーとは、構造物の径、幅、厚みが先細りになっていることです。工事現場で見かける赤い”カラーコーン”を思い浮かべてください。高さが上がるにつれ、先が細くなっています。他にも、円錐形状のプリンの容器や紙コップを逆さにした、側面の傾斜部分がこれに当たります。つまり、テーパー加工とは、ある物質を円錐状に先細りにしていく加工方法のことを指します。

テーパーと勾配の違い

下図をご参照ください。傾斜の程度を勾配といいますが、テーパーと勾配は厳密には違うものです。テーパーは、傾斜が両側に対称的についている傾きのことを指します。一方、勾配は水平面を基準にして、片側のみについている傾きのことを指します。

テーパー加工と旋盤

テーパー加工と切っても切り離せない関係にあるのが旋盤(せんばん)です。旋盤とは、一言でいうと、回転させて削る工作機械のことです。加工したい物を回転させ、固定された工具によって工作物を削って作りだします。すなわち、加工物を回転して削ることから、先細りにしていくテーパー加工に適しているといえます。

旋盤を使ったテーパー加工の手順

①旋盤を回転させて、角度を調整する

②旋盤のハンドルを操作して削る

③端まで削ったら刃先が外れるまで戻す

④これを繰り返し、求める形状まで削る

テーパー加工の実績

下の写真は、高アスペクト比を持った微細凹テーパー加工を実現したものです。こちらはSTAVAX製のため、加工が非常に困難な材質ではございますが、当社では多数のSTAVAX製品の加工実績がございます。

このような直径100μm、深さ200μmの微細凹テーパー加工は、放電加工やレーザー加工でも至難の業です。また、高精度なテーパー加工を効率的に行うためには、機械的な接触加工が必要になり、安定した精度で多数のテーパー加工を行うのは困難です。

しかし超精密・ナノ加工センター.comでは、加工機に東芝機械製の超精密旋盤 ULG-100Dや超精密加工機UVM-350Bを駆使して、高アスペクト比のテーパー加工を実現し、お客様から高い評価をいただきました。

このワークの加工には極小工具を用いた超精密ミーリング加工にて凹テーパー加工を実現しております。

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テーパー加工も超精密・ナノ加工センターにお任せください!

今回は、テーパー加工についてご紹介いたしました。

当社では、超精密加工に特化した「ナノ加工研究所」にて、日本屈指の超精密加工を行っております。また、お客様の過剰品質の設計を防止するために、あらゆる角度からVA/VE提案をいたします。ナノレベルはマイクロレベルとは異なるノウハウが必要とされますが、どちらにも対応することができる当社だからこそ、最適な品質設計をお客様に提案することができます。

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