【超精密加工ストーリー】Ra0.8の球面部の仕上げ加工が困難…。

超精密・ナノ加工センター.comでは、これまでに国内を代表する大手メーカーの皆さまや、光学・半導体・航空宇宙・バイオ・工作機械等の成長産業の技術担当者の方々から、数多くの高難度な精密・超精密加工のご相談をいただいております。

今回はそんな当社に実際にご相談いただいた超精密加工の事例について、ストーリー形式でお届けいたします。同じようなお悩みでお困りの方は、ぜひ最後までご覧ください!

 

お客様からご依頼いただいた背景や課題:球面部の仕上げ加工が困難…。

お客様からは、下記のような図面をいただきました。

※図面は弊社で製作した参考例です。

 

ご覧のような、Φ10の球面金型の上下セットでした。球面部の加工自体はできるサプライヤーは多かったものの、球面部の仕上げ加工に対応可能な企業が見つからず、様々なお問い合わせをされたもののお断りされてしまい、木村製作所にたどり着いたとのことでした。

全体的に精度の高い部品ではありますが、高精度な工作機械を保有している精密部品加工メーカーであれば対応可能な範囲の部品です。しかし、球面部のみRa0.8で指定が入っていました。一般の研削加工機では、Ra0.8の球面部の加工は非常に困難となり、この1面の厳しさが多くのサプライヤーからのお断りにつながっていたようです。保証精度を超えてしまう精度となり、さらに加工できたとしても検査・測定ができないため正確な品質保証ができないという点が、大きな課題となっていました。

 

木村製作所様だからこそできた、ご要望以上の面精度・形状精度!

そのような中で、ネットで高精度な球面仕上げが可能な企業を探していたところ、当社にご相談いただきました。

当サイトを運営する木村製作所では、超精密加工用の球面・非球面加工機を保有している、国内有数の超精密部品加工メーカーです。これまでに数多くの超精密加工を行ってきましたが、そのノウハウや知見を活かすことで、今回お客様のご要望以上の面精度と形状精度を実現することができました。

Ra0.8という高精度な球面仕上げの場合、超精密加工用の設備に依存してしまいますが、そのような設備は大手メーカーが保有していることが多く、今回のお客様も大手メーカーに以前はご依頼されていたとのことでした。しかし今回の部品加工の精度は、大手メーカーをも上回る精度とのことで、非常に高い評価をいただくことができました。

さらに大手メーカーと比較して、リードタイムやコストの改善も実現できたとのことでした。当社では、ミクロンレベルの精密加工用の本社工場と、ナノレベルの超精密加工用のナノ加工研究所の、2カ所の工場を近くに保有しております。そのため、当社で高いレベルで精密加工を行い、すぐに当社の超精密加工機で仕上げ加工を行うことができます。この高い取り回し力と、自社での一貫製造体制が、リードタイムとコストの改善につながりました。

 

木村製作所様が最も得意とする超精密加工とは?

木村製作所が最も得意とするのは、今回ご相談いただいたような、部品の大半は一般的な高精度工作機械で加工できるものの、一部のみ非常に加工精度が厳しい部品です。

精密加工という定義も幅広いですが、一方で超精密加工と言ってしまうとナノレベルの高精度加工になってしまうため、精密加工と超精密加工のはざまにあるような精度領域の加工は、一般的な精密部品加工メーカーとしては精度的に対応困難で、超精密部品加工メーカーは大手メーカーや研究機関に限られてしまい高額かつ取り回しのリードタイムも長くなってしまうという、お客様も非常に探しづらい領域となっています。

当サイトを運営する木村製作所では、この精密加工と超精密加工の狭間にあたる、寸法公差1μmの領域を「高精密加工」と定義しており、当社の精密加工と超精密加工のどちらの強みも活かすことができる、木村製作所が最も得意とする超精密加工の領域として、様々なお客様のお困りごとを解決しております。

精密加工 高精密加工 超精密加工
寸法公差 ±0.003mm ±0.001mm ±0.0005mm
面粗さ Ra 1.6~0.05 μm Ra 0.03 μm Ra < 0.01 μm
幾何公差 0.005 0.002 0.0005~0.001

>>精密加工と超精密加工の違いとは?

 

工作機械の母性原理に従うのであれば、「高精度な部品を加工するためには、その部品よりも高精度な分解能で加工を行うことができる」超精密加工用の工作機械が必要になります。

また、超精密工作機械を保有している加工サプライヤーは限られているため、工作機械から加工サプライヤーを選ぶことが高精密加工を実現するためのポイントの1つと言えます。

さらに高精密加工を量産体制で行うためには、安定して1マイクロメートル未満のスケールでの精度を出すことができる、ナノレベルの加工精度を生み出すことができる設備環境が必要になります。

>>高精度加工を行うために必要な3つのポイント

 

非球面加工機「ULG-100D(SH3)」

超精密・ナノ加工センター.comでは、東芝機械製の超精密非球面加工機 ULG-100D(SH3)を用いて、自由曲面加工や光学レンズ用金型をナノ精度で旋削加工しております。

ぜひ動画で、当社自慢の超精密非球面加工機 ULG-100D(SH3)をご覧ください!

>>現場目線で見る!超精密非球面加工機 ULG-100D(SH3) の特徴とは?

 

超精密非球面加工機 ULG-100D(SH3) の加工事例をご紹介!

続いて、実際に当社が超精密非球面加工機 ULG-100D(SH3)を用いて加工した事例をいくつかご紹介いたします。

(NDAの関係上、当サイトに実績として載せることができない事例も多数ございますので、あらかじめご了承ください。)

超精密非球面加工機 ULG-100D(SH3) の加工事例①:ガラスモールド用非球面金型

1つ目は、ガラスレンズを成形するために用いられる超精密非球面金型です。超精密研削加工によって仕上げ加工を行い、PV値は最大で約0.15μm、表面粗さは約5.0 nmRaと、高精度加工とナノレベルの表面粗さを実現いたしました。

>>加工事例の詳細はこちら

超精密非球面加工機 ULG-100D(SH3) の加工事例②:プラスチックモールド用非球面金型

2つ目は、プラスチックを成形するために用いられる超精密非球面金型です。単結晶ダイヤモンド工具を用いた超精密切削加工によって仕上げ加工を行い、PV値は最大で約0.05μm、表面粗さは約3.0 nmRaと、高精度加工とナノレベルの表面粗さを実現いたしました。

>>加工事例の詳細はこちら

 

 

高精密加工のことなら、超精密・ナノ加工センターにお任せください

超精密・ナノ加工センター.comを運営する木村製作所では、ナノレベル・サブナノレベルの精度が必要な超精密レンズ金型やマイクロレンズアレイ、自由曲面ミラーなどの加工実績が多数ございます。

部品の設計段階からのVA/VE提案にも対応しているため、お客様のご要望に合わせたコストダウン提案も可能です。ナノレベル・サブナノレベルはマイクロレベルとは異なるノウハウが要求されますが、いずれの領域も得意とする当社だからこそ、最適な品質設計をお客様に提案することができます。

「この素材の加工なんてできるのかな?」「この部分だけ精度が厳しいんだけど大丈夫?」といった案件は、超精密・ナノ加工センターにお任せください!まずはお気軽にご相談ください!