鏡面加工とは?鏡面研磨との違いと鏡面加工に高い技術が必要な理由。

鏡面加工は素材の表面を鏡のように仕上げる加工方法ですが、鏡面研磨とは少し異なります。その違いから鏡面加工には大きなメリットが生まれると同時に、非常に高い技術が要求されます。

今回は、鏡面加工/鏡面研磨の違いとその違いから生まれる鏡面加工のメリット、鏡面加工に必要な設備と実際の事例についてご紹介します。

精密金型カタログ|超精密ナノ加工センター.com

鏡面加工とは

まず、鏡面加工とは言葉の通り、加工物の表面を鏡のように仕上げる(鏡面を得る)加工方法のことです。

鏡面加工には2つの種類があります。

1つは超精密切削加工です。切削加工とは、切削工具で工作物から余分なものを削り取り、所要の形状や表面品質などに仕上げる加工方法のことです。

もう1つは超精密研削加工です。研削加工とは、研削盤と高速で回転する「研削砥石」を用いて工作物の表面を細かく削り取り、所要の形状、表面品質にする加工方法です。

切削加工と研削加工の両方とも仕上げ工程として採用される加工方法です。

鏡面加工と鏡面研磨の違いについて

鏡面研磨は鏡面加工とは少し異なります。鏡面研磨は、金属やアルミ、プラスチックといった素材を研磨することで、素材の表面を鏡のように仕上げる加工方法です。一方、鏡面加工は研磨しません。加工のみで鏡面研磨のような鏡面を得る加工方法のことを鏡面加工といいます。

鏡面加工は通常、研磨をして鏡面を得るところを、前述した通り切削加工と研削加工で代用するので、非常に精度の高い技術が必要になります。なので「超精密」切削加工と「超精密」研削加工をできることが鏡面加工をする前提になります。

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鏡面加工のメリット

では、それほど高い技術が必要な鏡面加工のメリットとは一体何なのでしょうか。それはズバリ、研磨無しでナノスケールの表面性状が得ることができるので、費用的にも時間的にもコストダウンにつながることです。鏡面研磨は仕上げ工程です。つまり、切削加工や研削加工を施し、求める形状にしてから研磨をします。なので、その分コストや時間がかかり、鏡面加工よりもコストアップにつながってしまいます。

鏡面加工をするための設備

鏡面加工をするには前述した通り、高い技術が必要になります。と同時にその技術を活かすための設備も重要になります。当社では、超精密立型加工機を2台、超精密旋盤加工機2台保有し、品質とコストダウンを両立させています。もちろん徹底した温度管理もしており、充実した環境で加工を行っています。

当社が保有する超精密立形加工機 UVM-450(H)はこちら>>

当社が保有する超精密旋盤加工機 ULG-100D(SH3)はこちら>>

鏡面加工の加工実績①:ヘッドアップディスプレイ用 反射ミラー金型

こちらは、自動車で用いられるヘッドアップディスプレイ(Head-Up Display:HUD)のミラーを成型するための金型です。光学部品専用のCAD/CAMソフトと、ナノレベルでの加工を実現する超精密加工機によって、このヘッドアップディスプレイ用反射ミラー金型の製作が可能になりました。

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鏡面加工の加工実績②:ドームレンズ成型用金型

こちらは、防犯カメラのカバーを成形するために用いられる超精密金型です。ドームレンズを成形するために、大きな凹凸を伴った形状となっています。

ドーム型形状の加工もナノレベル面精度で仕上げることができました。さらに、切削のみでナノレベルの面精度を出すことで、磨き工程を省略することができます。これが金型の全加工工程における加工時間の短縮につながり、結果としてお客様にコストダウンの提案につながりました。

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鏡面加工の加工実績③:タングステンカーバイド製 球体鏡面加工

こちらは、全体球面の部品をマシニング加工によって成形し、超精密研削加工によって鏡面仕上げをしたタングステンカーバイド製の加工部品です。

タングステンカーバイドは難削材と知られておりますが、当社ではタングステンカーバイド等の難削材の研削加工に関するノウハウを蓄積しているため、このような球体形状においても寸法精度±0.003mm、面粗度Ra0.05の高精度仕上げ加工を実現することができました。

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鏡面加工の加工実績④:ガラスモールド用非球面金型

こちらは、ガラスレンズを成形するために用いられる超精密非球面金型です。

超精密研削加工によって仕上げ加工を行い、PV値は最大で約0.15μm、表面粗さは約5.0 nmRaと、高精度加工とナノレベルの表面粗さを実現いたしました。表面は虹面のない鏡面となり、ガラスモールド用の金型として使用できる加工面を達成しています。

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鏡面加工の加工実績⑤:HPM38製 ドームレンズ成型用金型

こちらは、HPM38製のドームレンズ成型用金型の加工実績です。こちらはクロムモリブデン鋼の一種であるHPM38製のため、加工が非常に困難な材質ではございますが、無電解NiPメッキを使用して鏡面加工をいたしました。

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鏡面加工も超精密・ナノ加工センターにお任せください!

今回は、鏡面加工についてご紹介いたしました。

当社では、高精度な加工機を保有し、高精度な鏡面加工に対応しています。また超精密・ナノ加工センター.comでは超精密立型加工機以外にも、超精密非球面加工機や三次元測定機、さらには超精密加工用のCAD/CAMソフトまで完備しており、ナノレベルの精度保証にも対応した最新鋭の超精密加工用設備を取り揃えています。この日本屈指の高精度加工専用の生産環境が整っている「ナノ加工研究所」は、実際にメディアにも取り上げていただいております。(詳細はメディアページ、またはナノ加工研究所をご覧ください。)さらに、昨今の新型コロナウイルス感染拡大により、「設備を見たいけど、工場に直接出向くことはできない」という声に応えるために、バーチャル工場見学と題して当社の設備をYou Tubeにてアップロードしています。是非ご覧ください。

当社では、超精密加工に特化した「ナノ加工研究所」にて、日本屈指の超精密加工を行っております。また、お客様の過剰品質の設計を防止するために、あらゆる角度からVA/VEをお客様と一緒に考えます。ナノレベルはマイクロレベルとは異なるノウハウが必要とされますが、どちらにも対応することができる当社だからこそ、最適な品質設計をお客様に提案することができます。

高精密加工・超精密加工にお困りの方は、超精密・ナノ加工センター.comまでお問い合わせください!

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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