小径ボールエンドミルを使用するために必要な条件とは?

近年は、小型部品や自由曲面のような複雑形状のニーズが非常に高まっています。同様に需要が高いのは、マイクロ流路に代表される微細溝を伴った製品です。

こうした超精密微細加工品の加工をするには、写真のようなΦ0.4クラスの小径ボールエンドミルが必須となります。しかし小径ボールエンドミルを使って加工するには、様々な条件があります。

今回は、小径ボールエンドミルのニーズや用途、使用する上でのポイント、実際に小径ボールエンドミルを使用して加工した製品事例まで、まとめてご紹介いたします。

 

小径ボールエンドミルとは?

小径ボールエンドミルが具体的にどれくらいの径以下のボールエンドミルかという具体的な定義はございませんが、Φ1mm程度は小径と呼ばれることが多くなります。小径ボールエンドミルは、製作するのも非常に困難のため、工具価格も高くなってしまいます。またマイクロレベルの刃先となってしまうため、目視では刃の状態を正確に捉えづらくなってきます。

 

小径ボールエンドミルの使用先とは?

近年ニーズが高まっており、かつ小径ボールエンドミルが必要となる用途としては、主に下記の通りです。

・自由曲面加工

自由曲面とは、単純な数式では表わせない曲面のことです。つまり、自由曲面加工とは、そのような曲面をもつ工作物を加工することです。自由曲面を有する製品としては、下記の様に様々な用途がございます。

・ヘッドアップディスプレイ
・超短焦点プロジェクター
・トロイダルミラー
・海底ケーブルの中継ミラー
・セキュリティー向けミラー
・人感センサー
・赤外望遠鏡
・レーザー加工機
・紫外線照射機
・X線光学系
・衛星 など

>>自由曲面加工とは?自由曲面加工が困難な理由

 

・微細溝加工

微細溝加工は、その名の通り微細な形状の溝を加工する方法です。微細溝が必要な製品の具体的な例としてあげられるのは、バイオ業界で必要となるマイクロ流路です。マイクロ流路の製作方法は、基板へのエッチングや成形の他に、微細切削加工もあげられます。エッチングはどうしてもコストが高くなってしまうため、現状は成形や微細切削加工が多くなっています。また、成形であっても金型が必要となるため、いずれにしても微細切削加工技術はマイクロ流路の製造に必要不可欠といえます。

>>バイオ業界における超精密加工

 

・部分的な超精密加工

また、盲点となりがちなのが、一部のみナノレベルの表面仕上げや形状精度が必要な超精密加工品です。製品のほとんどは0.01mmレベルの精密加工なのに対して、篏合部やテーパー部、曲面部分にて0.001mmレベルの高精密加工や、ナノレベルの仕上げ精度が必要な超精密加工が求められる製品もございます。

こうした部品は、なかなか加工できるサプライヤーも多くありません。その理由が、この小径ボールエンドミルを使用できるかどうかという点にあるのです。

>>超精密加工とは? 定義と技術特徴について

>>精密加工と超精密加工の違いとは?

 

小径ボールエンドミルを使用するために必要な条件とは?

小径ボールエンドミルを使用できる部品加工サプライヤーは多くありません。そのためお客様からも、やっと対応可能で回答いただける企業に巡り合えた、というお声を当社でもいただいております。

小径ボールエンドミルを使用するには、下記の様な条件をクリアする必要があります。

・高い回転数

小径ボールエンドミルは、その径の小ささやシャンクの細さゆえに、剛性に乏しく、折れやすい工具として知られています。この剛性をカバーするためにも、高い回転数で徐々に加工する必要があります。そのため小径ボールエンドミルを使用するには、2万回転でも物足りず、5,6万回転程度の高い回転数を出す必要があります。

 

・非接触型のツールプリヘッダー

小径ボールエンドミルは目視では刃先を確認することができません。また小径ボールエンドミルでは、刃の振れも重要となります。この2つを機上で測定し、機械にフィードバックしていく必要がありますが、その際に必要となるのが非接触型のツールプリヘッダーです。

当社では非接触型のツールプリヘッダーを保有しております。下記動画もご覧ください!

 

・超精密加工機

上記のように、小径ボールエンドミルには高い回転数が必要で、刃先の振れをできるだけ抑えつつ、ナノレベルで工具を制御する必要があります。そして、このような条件を満たす加工機は、超精密加工機に限られます。つまり小径ボールエンドミルによる自由曲面加工や微細溝加工をするには、超精密加工機が必須となるのです。

当サイトを運営する株式会社木村製作所では、超精密加工機を保有しており、超精密加工品の事例も多数公開しておりますので、ぜひご覧ください。また当社では、小径ボールエンドミルのみならず、微細孔加工にも対応しております。

>>超精密立形加工機「UVM-450D(H)」での加工事例を紹介!

>>マシニングセンタでは困難な高精度角物部品の加工をするには?

>>微細穴加工における重要なポイント

 

小径ボールエンドミルを使用した当社の超精密加工の事例をご紹介!

それでは実際に当社が小径ボールエンドミルを使用して行った超精密加工の事例をご紹介いたします。

自由曲面加工

こちらは自由曲面加工を行った超精密ミラーの加工事例です。

自由曲面ミラーとは、球面や放物面、非球面とは異なり、回転対称性がない光学面をもつミラーのことです。通常の球面ミラー、放物ミラー、非球面ミラーでは、光軸に対して回転対称性を持っており、超精密旋盤にて加工されます。しかし自由に形成された自由曲面ミラーは、回転対称性がないため、一般的な超精密旋盤では加工することができません。

近年は特に自由曲面ミラーの需要が高まっており、それに伴い…

>>加工事例の詳細はこちら

 

小径ボールエンドミル 微細渦溝加工

こちらは小径ボールエンドミルを用いたアルミニウムへ渦形状の溝加工を行ったサンプル事例です。

0.5mmの溝加工をするために、小径ボールエンドミルを使用する必要がありました。ただし小径ボールエンドミルを使用するには…

>>加工事例の詳細はこちら

 

小径ボールエンドミルを使用した超精密加工・微細溝加工なら、超精密・ナノ加工センターにお任せください

超精密・ナノ加工センター.comを運営する株式会社木村製作所では、超精密立形加工機のほかにも、超精密非球面加工機、超精密非接触3次元測定器、超精密加工用のCAD/CAMソフト、さらには超精密研磨機IRP-50まで完備しており、ナノレベル・サブナノレベルの精度保証にも対応した最新鋭の超精密加工用設備を取り揃えています。この日本屈指の高精度加工専用の生産環境が整っているた「ナノ加工研究所」は、実際にメディアにも取り上げていただいており、大手メーカー様も遠方より足をお運びいただいております。(詳細はメディアページ、またはナノ加工研究所をご覧ください。)

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